第1回「米国におけるメンタルサポート」の概要
監修者のコメント
LTTプログラム委員 郭 伸先生
どのような病気にかかっても、我々は病気そのもののもたらす身体的な苦痛に悩まされるばかりではなく、なぜ私だけがという不満、どうしてこの症状が出るのか、この病気はどうなるのか・治らないのではないか、などの不安に駆られ、それが身体症状に影響することを経験する。それは主に見通しが立たないこと、病気の全体像が見えないことに対する不安であり、診断がつき予後を知り、病気の理解が進めばそれだけで消えていくものが多いのも事実である。短期間に治癒する疾患においても心理面の影響は大きいのに、慢性の、しかも有効な治療法がない疾患の場合は、長期間にわたって精神の安定を得ることは至難の業である。様々な経験を持つ人たちが別々の役割で関わり、患者の揺れ動く精神状態を支えていくことが病のコントロールには不可欠である。
三本先生は米国に長く暮らされ、ALSの治療法開発のリーダーとして診療・治療研究に長年関わってこられた。そのようなエキスパートに、我が国よりシステムがはるかに整備されている米国でのメンタルサポートの実情を紹介していただき、その意義を要領良くまとめていただけたのは、神経内科医のみならず同種の慢性疾患・不治の病に悩む患者・家族を診療する一般医家にとっても有益である。 メンタルなサポートにより、患者の生活の質(QOL)が大きく異なってくること、患者家族へのサポートが患者本人へのサポートに劣らず重要なこと、病気の理解(原因・症状・治療法・対処法)がサポートの内容として重要であること、サポートする時期・順番も重要であること、メンタルサポートは心理学や精神医学の専門家に任せきりにするべきではなく、日常的に診察している医師のほか医療スタッフ(ナース・ソーシャルワーカー)・患者会等が中心的に関与することが重要でそれぞれの存在が補い合っていること、Support Groupは、この疾患に対して十分な知識と経験を持っているものでなければ十分な効果は上げ得ないこと、など重要な指摘がいくつもなされている。専門医以外にもALS専門のナース・ソーシャルワーカーがそれぞれの役割をもって関わっているところ、患者会組織の充実ぶりなど、個人主義的生活を送る「個の確立」した米国ならではである。翻って我が国の現状をみると、患者会などのボランティア的な努力によりかなりの水準が達成されている分野もあるが、ALS専門治療医療チームを形成して複数の医療専門家がサポートに関わっている施設は神経内科専門病棟を持つ医療機関においても希少である。米国の実情に学ぶべき点は多い。
三本先生は米国に長く暮らされ、ALSの治療法開発のリーダーとして診療・治療研究に長年関わってこられた。そのようなエキスパートに、我が国よりシステムがはるかに整備されている米国でのメンタルサポートの実情を紹介していただき、その意義を要領良くまとめていただけたのは、神経内科医のみならず同種の慢性疾患・不治の病に悩む患者・家族を診療する一般医家にとっても有益である。 メンタルなサポートにより、患者の生活の質(QOL)が大きく異なってくること、患者家族へのサポートが患者本人へのサポートに劣らず重要なこと、病気の理解(原因・症状・治療法・対処法)がサポートの内容として重要であること、サポートする時期・順番も重要であること、メンタルサポートは心理学や精神医学の専門家に任せきりにするべきではなく、日常的に診察している医師のほか医療スタッフ(ナース・ソーシャルワーカー)・患者会等が中心的に関与することが重要でそれぞれの存在が補い合っていること、Support Groupは、この疾患に対して十分な知識と経験を持っているものでなければ十分な効果は上げ得ないこと、など重要な指摘がいくつもなされている。専門医以外にもALS専門のナース・ソーシャルワーカーがそれぞれの役割をもって関わっているところ、患者会組織の充実ぶりなど、個人主義的生活を送る「個の確立」した米国ならではである。翻って我が国の現状をみると、患者会などのボランティア的な努力によりかなりの水準が達成されている分野もあるが、ALS専門治療医療チームを形成して複数の医療専門家がサポートに関わっている施設は神経内科専門病棟を持つ医療機関においても希少である。米国の実情に学ぶべき点は多い。


